~SAXES ブランド戦略~強くて、美しいものを。

これまで世の中に無かった
新しいものをつくる。

それがメーカーの使命であり、新しい価値の創造は存在意義でもある。しかし新しいものをつくるということは、そう簡単なことではなく、大きな不安を伴う。苦労して生み出しても、市場に受け入れてもらえるのか、利益を生むのか、これまで積み上げてきたものを損なうことにならないか。失敗すれば大きな痛手を被り、それが何年も重荷になることもある。踏み出すには強い気持ちが必要だ。その中、現場の想いを力にして、誕生したのが“SAXES(サクセス)シリーズ”だ。その挑戦にこれからの商品戦略を探る。
SAXESシリーズの販売が開始されたのは 2018年3月。

大規模生産者向けの新たなるブランドとして生み出されたもので、“強くて、美しい”というコンセプトのもと、まずは乾燥機(30石~65石)、籾摺機(5インチ)をラインナップした。その後、第2弾として、今年の3月からはSAXES-Vシリーズとして乾燥機(70石~100石)を追加。ブランド名のSAXESはサタケ(SATAKE)× エクスト リーム(EXTREME[ 極限 ])・シリーズ(SERIES)から。それぞれの単語を組み合わせてつくった造語で、“これ以上ない製品” という意味が込められている。

自ら足を運び、自分の目、耳で確かめる

SAXES誕生のキーマンとなったのは森和行氏。2017年4月に調製機事業の本部長に就任したことから始まる。「当時の機種構成は一般生産者向けが大半でしたが、農地の集積が進む中で、使用時間、処理量が大幅に増加していました。私は新潟の営業所長をしていましたが、その頃から比べると約3倍。高耐久をキーワードにプロ向け機械の企画を始めました」。

サタケ 調製機事業本部長
森 和行

“強くて美しい” 機械をつくりたい。

開発担当者に想いを伝えると共に、自身は生産現場を回った。「全国40ヵ所ぐらいを回り、消耗部品や交換工賃などのランニングコストが負担になっていることを明らかにし、生産者が使っている機械の消耗している部分、交換した部品などを1点1点写真にとって、どこを強化すれば良いか絞り込んでいきました」。自ら足を運び、自分の目、耳で確かめる。それで得た現場にある一つ一つの事実が、ものづくりにおける土台となり、決断を後押しし、前に進む力となった。

その結果、強化された場所は多岐にわたり、例えば乾燥機で見てみると、お米を昇降機へと送る下部スクリュは消耗も激しく、ここは、浸炭窒化処理を行い、羽根板は二重構造にし、下部スクリュの駆動部はグリスアップできるフランジ型ユニットに変更している。その他、耐久性を向上させたバケットベルト、高防塵性ベアリング、コンベアケースや昇降機上部のステンレス板などを採用。また摩耗を抑えるための形状変更などが行われている。さらにユーザーから強く要望されたのはコンタミネーションへの対策。ブランド米、飼料用米、業務用米と品種が多様化し、品種切り替え時の作業負担が大きくなっていた。「乾燥部の形状を変更し、乾燥部横を開閉し工具なしで取り外し可能なスクリーンを装備しました。また、点検扉を作って、上まで登らずに容易に中に入れるようにしました」。内部清掃・メンテナンスの利便性を高めている。加えて点検扉には張り込みすぎた籾を機外へ排出するシャッターを装備。プロ用の機械として安全対策にも十分な配慮を行い、安全ガード付きハシゴを標準装備。取り付け位置は前方、左右側面、後方の5ヵ所から選択でき、ファン横のデッドスペースに取り付ければ従来の設置スペースで対応できる。

サタケ広報部 クリエイティブディレクター
大滝 直司

美しいデザインは“所有する喜び” を与える

デザイン面では「中身が変わっても外見が同じであれば変化を感じて頂けない」と森事業本部長が提案した“強くて美しい” をコンセプトに、新たな形が与えられた。中心となったのは現在広報部広告デザイン課でクリエイティブディレクターを務める大滝直司氏。「揺るぎないビジョン、コンセプトがあったので、ネーミング、ロゴ、機械のデザインと、非常にスムーズに進みました」。強い気持ちが新しいものを生み出すときに大きな力となる。これまで従来機で使い続けてきた商品カラーも変更し、重厚感のある黒を採用。カタログも一新。プロモーションにおいても、SAXESのホームページを立ち上げ、WEBを活用した展開を進めていった。さらにサービスにおいても、2年間の無料点検を付帯するなど、きめ細かな対応を行っている。

「これまではサタケという企業ブランドしかなかったのですが、今回初めて、事業ブランドを生み出すことができました」。森事業本部長にとっても会社にとっても新たな一歩を踏み出すシリーズとなった。
通常の機械は与えられた作業をただ処理するだけのものというのが一般的だが、高い機能や美しいデザインは購入者に“所有する喜び”を与える。「綺麗に使って頂いている方も多く、コントロールボックスの保護用ビニールを取らずに使ってくださる方もいます」。SAXESの強さと美しさが、ユーザーに新たな価値として受け入れられているようだ。
販売実績も伸張しており、強い存在感を持つブランドに成長している。その原動力になったのは、何よりも現場を回って丁寧に拾い上げた、一つ一つの事実だ。それが慣習や未知への恐れに怯まない強さを与え、ブランドに魅力を吹き込んでいる。

SAXESシリーズの第2弾はSAXES-Vシリーズで今年の3月から、70石~ 100石の乾燥機を追加した。こちらの機械開発でも現場を30ヵ所ほど回り、課題を抽出。その中で設置スペースの問題に取り組んだ。「全国を回って乾燥機の大きさを測りました。その中で横幅を伸ばし、全高をミリ単位でオーダーできるようにしました」。またフロントパネルのV字型LEDにより、穀物水分域を表示し、直感的に乾燥状態を把握することを可能にした。強さと美しさがさらに進化している。これからの展開は「ポストハーベスト全体のSAXES化ですね。ICTも含めたスマート農業なども取り入れながら。収益の向上や人手不足の解消に貢献できればと思います」。

新しいものをつくるのは簡単じゃない。反対意見もあるし、自分の弱さもある。それに屈せず進むための、強さは現場の中にあると感じた。それを得て、新しい事にチャレンジする。「壁を乗り越えなければ次にはいけません。今の延長上に成功はないのです」。ブランド戦略の中に、価値を創造し前に進むのだという強い想いが込められていた。

記事提供/ 月刊AMJ

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